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名称: NINOG(にのじ)
竣工年月日: 1998年8月
所在地: 福岡県北九州市小倉北区鍛治町1-3-2 2F
093-512-5678
※2000年3月号月間商店建築掲載
企画・設計吉造 合田ヨシヒロ
施工ミカミ建装 三上幾義
 暗号としての店内。
 大音量で耳にねじ込まれる音声。
 きらびやかな色彩で目に焼き付けられる映像。
 怒涛のように押し寄せる情報に身を晒し続ける現代人は耳元で囁くような、残像に薄く張り付くような、そして自分にしか分からないと思わせるような暗号にこそ心を揺さぶられるのではないでしょうか。
 さて『バーにのじ』のカウンターにお座りください。
 障子が目に入るでしょう。
 障子には桟が見えませんね。桟は裏側についています。日本家屋の様式に従うなら、障子の向こう側が建物の中であり『にのじ』の店内は建物の外ということになります。
 実はこの障子の向こう側には先にプロデュースした『バージノ』があるのです。
もちろん本当に両店がが繋がっているわけではありません。両店は歩いても5分ほどの距離にあり、『ジノ』のゲストが隠れ家的に『にのじ』を使うこともあります。
 店名の『にのじ』は『ジノ2』を逆に読んだものです。
『にのじ』の店内装飾に塗り込めた暗号は障子だけではありません。
存在意義を伝えるロゴマーク、狭い通路を抜けたところにあるカウンター。そして障子を開けると実際にあるボトルやグラスが見え隠れするよう設計したバック棚。そして初めて来た人は気付きませんが、店内にはテーブル席を用意した個室もあります。
 そのほか、曲線を多用した設計、東洋を意識した調度品、柔らかな照明、そしてもちろん酒にも数多くの暗号を隠したつもりです。
 暗号という物静かなメッセージに埋もれた『バー にのじ』は、ゲストの感性の中で最後の装飾を終えます。そしてその空間は飽きられることがないと信じます。